毎年各地区で行われ、多くの県民の皆様においでいただいている目の愛護デーの講演会ですが、新型コロナウイルス感染症流行に鑑み、昨年に続き2021年もビデオ講演となりました。新型コロナウイルス に対するワクチン接種率の増加や進行中の経口治療薬の開発なども進んでいますが、マスクや手洗いなど基本的な感染予防策はまだまだ必要です。眼科医院では、感染対策に十分配慮しています。目の異常を感じたら、すぐにお近くの眼科までご相談ください。
「正しい眼鏡の知識」 兵庫県眼科医会会長 平松邦夫
見にくくなった時にどうされていますか?メガネが合っていないのか、または、目に病気の症状が出たかです。ここでまず目に病気があるのかないのか、その治療の必要はないのか、を考えてください。目の屈折は機械でも測れますが、それがそのままメガネの度数にはなりません。目は自分でピント合わせをする調節力があり、これをどう見積もるかが大切です。特に小児の場合、本人が視力低下を自覚していない場合でも、もしも弱視ならば早期からの眼鏡装用が必要な場合があります。三歳児眼科健診をお受けください。
「涙 気になりませんか?」 兵庫県立尼崎総合医療センター眼科 宮崎千歌
涙は涙腺から分泌され,涙道(涙点,涙小管,総涙小管,涙嚢,鼻涙管)を通って鼻腔へと流れて行きます。流涙は,涙腺からの分泌が増える場合と涙の流れが悪くなる場合に起こります。涙の流れが悪くなる場合には,涙道が狭窄や閉塞する事によって起こります。涙道の閉塞場所によっては,眼脂の症状が加わります。原因には年齢的な変化だけではなく,涙道周辺の悪い病気のこともあります。薬では良くならず、手術で治る場合が多いですが、涙道の手術は、涙道内視鏡や鼻内視鏡を使用して、スマートな治療になっています。“涙”ぐらいと思わずに,何で涙が出るようになったのかをしっかりと調べるためにも,また,最適な方法で涙を治すためにも,是非,早めに眼科医を受診しましょう。
「緑内障を知ろう!」 兵庫医大眼科講師 田片将士
近年平均寿命は伸び続けている一方で、健康寿命をいかに守って快適に暮らせるかということにも社会的関心が向けられています。視覚は外からの情報の8割を占めると言われており、パソコンやスマートフォンなどを使用する機会が多い現代社会では重要度が増してきつつあると言えるでしょう。緑内障は失明原因の第1位であり、年齢とともに発症する割合が増えるため、健康寿命の短縮につながる恐れのある病気です。そのような緑内障とはどんな病気なのでしょうか。